京都大学大学院理学研究科 物理学・宇宙物理学専攻
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お互いに強く相互作用する膨大な数の電子やスピンは、量子力学的多体問題として様々な興味ある現象を引き起こします。私達の研究室では主として、高温超伝導、新奇超伝導状態、重い電子状態、量子臨界現象、量子スピン系等に興味を持って研究を行っています。 これらの研究は冷却原子や原子核物理学などの他分野とも関連した現代物理学の基本的問題と強くつながっており、さらには21世紀における最先端応用技術とも密接な関係を持っています。当研究室では、極低温・強磁場における電子輸送測定や熱測定、走査型トンネル顕微鏡測定、最先端のナノ微細加工技術や自然界には存在しない人工超格子の作製などを通じて、このような物質中の電子が示す新奇な現象や状態を開拓・解明することに挑戦しています。

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What's new (and exciting)?

2014/06/19 謎の秩序状態を示すウラン化合物URu2Si2の「隠れた秩序」相において、超高分解能の放射光単結晶X線回折により、電子状態の変化によって誘起されるわずかな結晶構造の変化を直接観測することに成功しました。
研究成果はNature Communications誌に掲載されました。ニュースリリースはこちら
6月20日発行の日刊工業新聞に掲載されました。


2014/6/18 松田祐司教授、芝内孝禎客員教授がトムソン・ロイター(Thomson Reuters)が選んだHighly Cited Researchers 2014に物理学分野で選出されました。


2014/4/1 新年度スタート。芝内孝禎先生が東京大学新領域創成科学研究科の教授にご栄転なされました。本研究室の博士課程に在籍していた下澤雅明さんが東京大学物性研究所の助教に、同じく水上雄太さんが東京大学新領域創成科学研究科の助教に着任されました。


2014/3/31 二国間交流事業によりカールスルーエ工科大学(ドイツ)からHilbert von Löhneysen先生が来訪されました。"Tuning quantum phase transitions by Kondo effect and frustration"と題したセミナーを開催しました。


2014/3/27-30 日本物理学会(東海大学)に参加、当研究室からシンポジウム講演2件, 招待講演1件, 一般講演4件の発表を行いました。


2014/3/3-10 アメリカ物理学会(コロラド州デンバー)において、松田祐司教授が重い電子系物質の人工制御に関しての招待講演を行いました。また笠原、下澤、水上、山下、綿重が一般講演を行いました。


2014/3/7 中国・清華大学からZhang Yunさんが来訪されました。重い電子系物質の人工制御に関して共同研究を行います。


2013/11/27 笠原成助教が第8回(2014年)日本物理学会若手奨励賞領域8)を受賞しました。また、同時に山下穣前助教(現東大物性研准教授)も同賞(領域7)を受賞しました。2人は2014年3月の第69回年次大会にて受賞記念講演を行う予定です。


2013/10/14 カールスルーエ工科大学(ドイツ)よりAnna Bohmerさんが来訪されました。当研究室には3年ぶり2度目の滞在で、鉄系超伝導体に関する研究を行います。


2013/9/25-28 日本物理学会秋季大会(徳島大学)に参加しました。当研究室からは10件の発表が行われました。

2013/9/17 カールスルーエ工科大学(ドイツ)よりPhilipp Burger博士が来訪されました。2ヶ月間滞在し鉄系超伝導体に関する研究を行います。

2013/4/16 2007年〜2012年 サイエンス掲載論文数ランキングで松田教授と芝内准教授が日本一になりました!!
(朝日新聞出版 大学ランキング 2014 による)


2013/02/13 絶対零度の量子ゆらぎにより超伝導電子が特定の方向でのみ重くなることを明らかにしました。[ Proc. Natl. Acad. Sci. USA doi:10.1073/pnas.1221976110 (2013) ] 詳しくは Research Highlights へ。

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2012/10/12 局所的反転対称性の破れによる重い電子超伝導の異常を観測しました。[ Phys. Rev. Lett. 109, 157006 (2012) ] 詳しくは Research Highlights へ。


2012/10/01 新しい助教として笠原成氏が着任しました。


2012/09/25 モット絶縁体が示す新しい量子スピン液体相の存在を明らかにしました。[ Nature Commun. 3, 1090 (2012) ] 詳しくは Research Highlights へ。


2012/07/17 重い電子系ウラン化合物の「隠れた秩序」相における電子構造を解明しました。[ Phys. Rev. Lett. 109, 036401 (2012) ] 詳しくは Research Highlights へ。


2012/06/22 超伝導体が絶対零度で示す新しい臨界現象を発見しました。[ Science 336, 1554-1557 (2012) ] 詳しくは Research Highlights へ。

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読売新聞に関連記事が掲載されました。

S. Sachdevによる解説はこちら


2012/06/21 鉄系高温超伝導体において「電子のネマティック液晶状態」を発見しました。[ Nature 486, 382-385 (2012) ] 詳しくは Research Highlights へ。

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京都新聞、日刊工業新聞、日経産業新聞、科学新聞、読売新聞に関連記事が掲載されました。


2012/04/01 本研究室で助教として研究・教育に従事していました山下穣さんが理化学研究所研究員に着任されました。また、博士課程に在籍し、博士号を授与された橋本顕一郎さんが東北大学金属材料研究所助教に着任されました。


2012/01/27 同形の超伝導体LiFeAsとLiFePの対照的な超伝導状態を明らかにしました。 [ Phys. Rev. Lett. 108, 047003 (2012), Phys. Rev. Lett. 108, 047002 (2012).] 詳しくは Research Highlights へ。


2011/10/10 重い電子の人工超格子で「超強結合」超伝導を実現しました。[ Nature Physics 7, 849-853 (2011) ] 詳しくは Research Highlights へ。

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京都新聞、中日新聞、読売新聞に関連記事が掲載されました。

J. D. Thompsonによる解説はこちら


2011/08/18 鉄系高温超伝導体BaFe2(As,P)2が非常に特徴的なギャップ構造を持つことを明らかにしました。 [ Phys. Rev. B 84, 060507(R) (2011) .] 詳しくは Research Highlights へ。


2011/04/01 本研究室で博士研究員、低温センター特任助教として研究していた宍戸寛明さんが大阪府立大学工学研究科の助教に着任されました。


2011/02/01 鉄系超伝導体の量子臨界性に関する我々の結果[S. Kasahara et al.,Phys. Rev. B 81, 184519 (2010).]がPhysics Todayの記事で取り上げられました。[ S. Sachdev and B. Keimer, Physics Today 64(2), 29 (2011)図4a参照.]


2011/01/28 ウラン化合物における四半世紀の謎であった「隠れた秩序」相において、4回回転対称性の破れを実験的に見出しました。[ Science 331, 439-442 (2011). ]

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朝日新聞、京都新聞、中日新聞、日刊工業新聞、日経産業新聞に関連記事が掲載されました。
KBSニュース、日経サイエンス4月号で紹介されました。
詳しくは Research Highlights へ。


2010/10/01 本研究室の博士課程に在籍していた岡崎竜二さんが名古屋大学理学研究科の助教に着任されました。


2010/06/04 二次元三角格子における量子スピン液体状態においてギャップレスの励起が存在することを世界で初めて見出しました。[ Science 328, 1246-1248 (2010). ]

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朝日新聞、京都新聞、日刊工業新聞、日経産業新聞に関連記事が掲載されました。
詳しくは Research Highlights へ。


2010/06/02 鉄系高温超伝導体のギャップ構造が、類似物質群でも大きく異なるという多様性を示すことを明らかにしました。 [ Phys. Rev. B 81, 220501(R) (2010); Phys. Rev. B 81, 184519 (2010).] 詳しくは Research Highlights へ。


2010/02/19 重い電子系の人工的な2次元化に世界で初めて成功しました。 [ Science 327, 980-983 (2010). ] 詳しくは Research Highlights へ。

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京都新聞産経新聞、中日新聞、日刊工業新聞、日本経済新聞、毎日新聞読売新聞に関連記事が掲載されました。

KBSニュース共同通信ニュースNPG Asia Materialsで取り上げられました。

P. Colemanによる解説はこちら


2010/02/09 鉄系高温超伝導体のフェルミ面の観測に成功し、電子の多体効果の重要性が明らかになりました。 [ Phys. Rev. Lett. 104, 057008 (2010). ] 詳しくは Research Highlights へ。


2009/05/19 新鉄系高温超伝導体の超伝導電子密度が異常な不純物効果を示すこと明らかにしました。 [ Phys. Rev. Lett. 102, 207001 (2009). ] 詳しくは Research Highlights へ。


2009/04/17 重い電子系化合物URu2Si2の「隠れた秩序」相内に新しい相転移を示唆する結果を得ました。 [ Phys. Rev. Lett. 102, 156403 (2009). ] 詳しくは Research Highlights へ。


2009/02/19 超伝導体の基本的な物理量の一つである下部臨界磁場を正確に測定する新しい手法の開発に成功しました。 [ Phys. Rev. B 79, 064520 (2009). ] 詳しくは Research Highlights へ。


2009/01/07 新鉄系高温超伝導体のギャップ構造を世界で初めて単結晶試料を用いて調べ、銅酸化物とは異なるゼロ点がない構造であることを明らかにしました。 [ Phys. Rev. Lett. 102, 017002 (2009). ] 詳しくは Research Highlights へ。


2008/11/23 2次元三角格子系のスピン液体状態において、エネルギーギャップが存在することを世界で初めて明らかにしました。 [ Nature Physics 5, 44-47 (2009). ] 詳しくは Research Highlights へ。